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ボリショイ・バレエ団『ラ・バヤデール』

GWはボリショイ・バレエ団の来日公演『ラ・バヤデール』に通っていました。

まずは5/3(水)。キャストはザハロワ(ニキヤ)、ツィスカリーゼ(ソロル)、アレクサンドロワ(ガムザッティ)。
ザハロワは相変わらず完璧なプロポーションを活かしての美しい踊り。ただ、この日は来日直後の初日ということで少し堅かったかな。新国に毎年客演していることもあって、彼女の踊りはよく知っているつもりだけど、この日は特に良くも悪くもない出来(というかいい所もあり不安定なところもあり、というべきかな)。硬質で明晰な踊りで、演技面でも以前よりも濃厚になっていたけれど、時折バランス面でぐらついたりもしていた。華もあったけど、絶好調の時の強烈な印象はなし。全体としては高レベルだけど無難な踊りでした。
ツィスカリーゼは前々回(?)の来日公演以来、久しぶりに見ました(その時はガラで『ナルシス』を踊ってた)。常人離れした柔軟性(特に背中と股関節)と濃ゆい演技が印象に強烈に残りました。ただ自己陶酔オーラが強すぎることもあって、ニキヤとの間の愛はなかったように思います。あと彼はサポートはあまり上手くないのね。やっぱり「自分大好き」なせいもあって、女性を立てるのは苦手なんでしょうか。
アレクサンドロワは好調。印象としてはザハロワよりも強く残りました。絶対的な技術と宙に浮かぶ跳躍、そして華やかな雰囲気があって素晴らしかったです。


昼(マチネ)はアラシュ(ニキヤ)、フィーリン(ソロル)、シプリナ(ガムザッティ)という組み合わせ。
アラシュはスタイルはいいし踊りも丁寧。だけどあまり印象に残ってない。主役としてのオーラが足りないというか、踊りが素直すぎて個性が弱いというか。
対してガムザッティ役のシプリナは天性の華やかさがあり、踊りも強さがあり、演技面でも悪女ぶりがよく出ていて好演。白鳥/黒鳥とかでまた見てみたいかも。
フィーリンはとても恰好良かった。戦士としての凛々しさと、ニキヤに対する誠実な愛情を感じる事ができました。踊りもソツの無い品のある踊りで○。
全体的にちょっと地味な印象でした。舞台の緊張感もちょっと緩く感じた(特に群舞)。休日のお昼で客席がそれほど埋まってなかったことも影響しているかな。


夜(ソワレ)はグラチョーワ(ニキヤ)、ネポロージニー(ソロル)、アレクサンドロワ(ガムザッティ)。
とにかくグラチョーワが素晴らしい出来だった。91年のグリゴローヴィチ版の初演キャストも務めた彼女だけに細部まで神経の行き届いた濃密な演技、そして驚異的なバランスを見せたテクニック等、会場を多いに盛り上げていました。
ネポロージニーは相変わらず若々しい雰囲気。以前よりも踊りの線が太くなったかも。テクニックは安定してるし、戦士にしてはちょっと柔弱な感じだけど、力強さもあった。なんとなくウヴァーロフ的なたたずまいになっていたような気もする。
アレクサンドロワは絶好調。高度な技も難なくこなし、跳躍は男性並に高い。そして何よりも高貴な姫様らしいオーラがよく出ていました。2幕を盛り上げたのは、間違いなく彼女です。

またソワレは舞台としても完成度が非常に高くて、その他のソリストや群舞も素晴らしい出来でした。ブロンズ・アイドルの岩田さんは相変わらず素晴らしいし、太鼓の踊りはますますダイナミック。そして3幕の影の王国の群舞の出来は、昨日今日の3公演の中でも飛び抜けて素晴らしかったです。舞台の出来が会場を盛り上げ、その会場のノリに舞台上のダンサー達がさらに乗っかっていったように思いました。

カーテンコール時は熱狂的な拍手に包まれて、グラチョーワはとても上機嫌でした(最後はスタンディング・オーベーションになりましたしね)。

ボリショイの『ラ・バヤデール』を見るのは今日までだったのですが、最後にとてもいい舞台に出会えて、満足感で胸一杯です。

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