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新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』最終日

7/2(土)の公演。
新国立劇場バレエ研修所1期生の本島美和さんがオペラ劇場での初主役となった舞台。

3月に中劇場で上演された『カルメン』で素晴らしい主役デビューを飾った彼女が、今回は大きなオペラ劇場で古典作品の主役を踊った。入団以来ずーっと贔屓にしてきたダンサーなので、幕が上がる前から応援モードに入っていて勝手にドキドキしていた(笑)。

幕が開いてバルセロナの街の広場。そこに登場した本島さんは周囲をぱっと照らすような笑顔と雰囲気を持った、街中のみんなから愛される人気者キトリだった。バレエ団生え抜きの初主役、しかもシーズン最終日ということもあって舞台のテンションはとても高かった。さすがに硬さが見える時もあったが踊りで目立ったミスもなく、得意のマイムでは表情豊かに物語を盛り上げていた。

2幕酒場のシーン。少し落ち着いてきたのか慣れてきたのか、全体的に余裕が出てきた。そして2幕の森の場面。キトリから幻想の中のドゥルシネア姫へと踊り分けをするのはなかなか難しいのだが、これが予想以上によい出来だった。静かで柔らかく優雅な踊りで舞台に花を添えていた。

そして3幕のグラン・パ・ド・ドゥ。軸がとても安定し、かつ余裕のある踊りだった。ヴァリエーションでは小気味のよい、切れのある踊り。グラン・フェッテも前半はシングル→シングル→ダブル、後半はシングルでとても安定感があった。スピードも十分。客席からは大きな拍手がおこっていた。

結果としては大成功だった古典全幕デビュー。もちろん課題はまだまだあるんだけど(踊りと踊りの繋ぎの部分とか、アクセントをつけるなどして観客へのアピールをもっとはっきりさせるとか等)、ある意味これがスタート。来シーズンは『くるみ割り人形』と『ジゼル』での主役が決まっています。今後はますます楽しみになってきました。

それにしても、彼女の新国デビューである『シンフォニー・イン・C』(第2楽章コリフェ)の時に、その踊り方の「間」とか「バネ」等を見て「将来的にはキトリで見たいなぁ」って思った自分の目はなかなか確かだったなぁ(←自画自賛)。でもその機会がこんなに早く来るとは思ってなかったです。ちょうどバレエ団の世代交代の時期ということも大きな要因のひとつでしょうけどね。

世代交代といえば、シーズン最終日だったのでこれが最後にバレエ団を去るダンサーが何人もいました。例えばソリストの大森結城さん。今回はギターの踊りと街の踊り子で安定感のある素晴らしい踊りを披露していましたが、来シーズンは契約ソリスト→登録ソリストとなります。完全に出なくなるわけではないと思いますが、見る機会がかなり少なくなってしまうのは寂しい限りです(新国に通うようになって、主役以外で最初に憶えたダンサーが大森さんだったこともあるので)。
コール・ド・バレエでもベテランの何人かは抜けるようです(契約更新せず)。来シーズンは研修所2期生を始め11人(女性7名、男性4名)のコール・ドが入団するからなんでしょうね。開場から8年が経っているわけですから、こういう世代交代があるのは仕方ないのですが、やっぱり寂しいですよね(ちなみに2期生はすでに前回『眠り』から普通に出演しています)。

さて、話を昨日の舞台に戻して。
バジル役の逸見さんは、バジル(街の床屋)にしては気品がありすぎましたが、初役のパートナーを頑張って盛り立てていました。途中サポートでちょっと危なっかしいところもあったけど、かなり丁寧にやっていた印象です。キトリに対しては優しい年上のお兄さんという感じのキャラでした。ま、年齢を考えるとそのままなんですけどね(^^;

群舞は相変わらず絶好調。あるダンサーに聞いたところ、やっぱり演奏は「めちゃめちゃ速かった」そうですけど、それでもあれだけ揃ってるのは見事です。街や酒場での賑やかしも楽しくて、ついつい主役ではなく周りに目が行ってしまいました。特に楠元さんと難波さんによる、エスパーダへの「黄色い声援」はツボでした(笑)。

ソリスト陣では森の女王役の寺島ひろみさん。相変わらずキラキラと輝いていて美しいです。身体能力に優れ、かつテクニックもあるので今後はますます期待です。あと、第1ヴァリエーションを踊った西山裕子さん。なんだかここ最近の安定感と情感はどうしたんでしょう。踊りにも以前よりも芯が通っていて見ていてとても心地よい。あと先にも挙げた大森さん。来期登録になってしまうのがホントに惜しいと思わせる出来でした。

今回の公演では名物である馬(ドン・キホーテ登場時に馬に跨がって出てくる)がいなかったのですが、これはオペラ『蝶々夫人』と同時並行の上演だったので、舞台裏に厩舎を造る余裕がなかったためのようです。あの馬が出てきた時の会場のドヨメキが好きだったんですけどねぇ(笑)。次は是非出してくださいませ>馬

これで2004-2005シーズンの新国立劇場バレエ団の公演は終了。来シーズンは10月の『カルミナ・ブラーナ』から始まります(同時上演は『ライモンダ』1幕の夢の場面)。新国ファンとしてはながーい中断期間です。うーむ、禁断症状がでてしまいそうだ...。

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comments[2]

タイトルを見て、「え?あのドンキでバレエやんの?」と
思ったのは自分だけですか?
あ・・・そうですか。(笑

「ドンドンドン♪ドンキ〜♪ドン・キホーテ〜♪」の節に合わせて踊るんですか、そうですか。