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ベルリン国立バレエ団『ニーベルングの指輪』

先週の24日(金)に見に行ったモーリス・ベジャール振付による大作。

上演時間が休憩含んで5時間近くになるので、ダンサーだけでなく観客も体力的に大変な作品。オペラでは4日間をかけて上演される題材だけど、ベジャールはこれを上手くまとめていました。

『ニーベルングの指輪』のストーリーは大雑把にしか把握してなかったけど、「弁者」(ミカエル・ドナール)の存在と字幕により、展開に置いていかれることはなかった。音楽はオーケストラ録音、そしてピアノだったんだけど、ピアニスト(エリザベット・クーパー)がただ音楽を奏でるだけでなく、舞台上の出来事にかなり強く関わっていたのが新鮮。

マラーホフ演じるローゲは要所要所に狂言回しのように登場し存在感を出していた。彼は「王子役」がはまり役の一つだけど、こういう皮肉な視点を持ったキャラクターもお似合い。というかこっちの方が伸び伸びと踊ってたような印象。

神々の中ではヴォータン役のアルテム・シュピレフスキーの身体能力が目立った。特に2幕のブリュンヒルデとのパ・ド・ドゥは素晴らしかった。筋肉ムキムキの上半身をあらわにした衣装も○。またフリッカを踊ったディアナ・ヴィシニョーワも、2幕で圧倒的な威厳を出していた。ドンナー役のマルチン・クライエフスキーは見せ場は少なかったものの、いい踊りでアピールしていた。

小人族アルベリヒ(マルティン・プチェコ)とミーメ(ディニュー・タマツラカル)はともに個性的な役を好演。特にアルベリヒはかなり体力を使いそうな踊りが多かったけど、最後まで良かったです。

ブリュンヒルデはナディア・サイダコワ。黒い衣装の時よりも神性を剥奪されて白い衣装になった後の方がより印象的。物語のヒロインとして、素晴らしい踊りをしていたと思います。

ジークムントとジークリンデはイブラヒム・ウェーナルとポリーナ・セミオノワ。とくに後者の出来が素晴らしかった。ながーい手足を目一杯使った踊りは舞台に映え、観客の目を釘付けにしていました。

あ、フンディングを踊ったロベルト・ヴォラートも良かったです。さりげなく難易度の高い踊りをこなしていました。

ジークフリートは子供時代をマリアン・ヴェルター、青年時代をミカエル・バンツェフ。二人ともとても良かった。前者は童顔なためとても若々しい印象で踊りの質も軽やか。後者はもっと力強く、「英雄」としての存在感もあったと思います。ちなみに見た目はルグリにちょっと似ていたね。

そのジークフリートを殺すハーゲンはヴィスラウ・デュデク。彼も身体能力が高くスタミナもあって素晴らしい。敵役としても印象的な存在だった。

ちょっと日が空いてしまったので各人についての一言感想という形になりました。
見終わった後は、「何だか凄いものを見た」、そういう衝撃でぼーっとしていました。こんな大作を作り上げてしまうベジャールの凄さを、改めて認識した次第。

それにしても上演時間5時間弱は長かった。内容が充実しているので、そうそう飽きるということはないんだけど、それでも何回かは意識が遠くなってしまったし。

それでもまたそのうち見てみたい作品ですね。そうそう上演されることはないだろうけど。

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