第1部■シアトリカル・ダンス
『The Elements of Juliet Capulet』
演出・構成:三輪えり花
振付:石井潤
編曲:山田香
音楽:Takashi Yoshimatsu、NINO ROTA 他
配役:〈ジュリエット〉
実体...今村美由起
好奇心...井倉真未
プライド...今井奈穂
家柄...大湊由美
冒険...岡崎弓佳
色気...小野絢子
真摯...柴田知世
道徳...鈴木愛
〈ロミオ〉...増田真也
第2部■研修生自作自演
〈17日〉岡崎弓佳作品『release』
音楽:Kevin Volans
柴田知世作品『Dear』
音楽:オスカル・メリメント
〈18日〉小野絢子作品『CAPRICE』
音楽:Tommy Emmanuel
今井奈穂作品『FRESHNES!!』
音楽:Roma Ryan(「The best of Enya」より)
■現代バレエ『ル・コンバ』より
振付:ウィリアム・ダラー
音楽:ラファエロ・デ・バンフィールド
ステージング:牧阿佐美
指導:豊川美恵子
出演:クロリンダ...大湊由美
タンクレディ...塚田歩
第3部■クラシカル・バレエ
『ライモンダ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
指導:豊川美恵子、新井咲子、佐藤勇次
出演:ライモンダ...小野絢子(17日)
井倉真未(18日)
ジャン・ド・ブリエンヌ
...逸見智彦(17日)
マイレン・トレウバエフ(18日)
グラン・パ・クラシック
...井倉真未(17日)、今井奈穂、今村美由起、
岡崎弓佳、小野絢子(18日)、柴田知世、
鈴木愛
市川透、奥田慎也、貝川鐵夫、高木祐次、
塚田歩、冨川祐樹
ヴァリエーションI...井倉真未(17日)
小野絢子(18日)
ヴァリエーションII...アンダーシュ・ハンマル、坂爪智来、
福田圭吾、八幡顕光
ヴァリエーションIII...今村美由起、鈴木愛
ヴァリエーションIV...今井奈穂、岡崎弓佳、柴田知世
ヴァリエーションV...逸見智彦(17日)
マイレン・トレウバエフ(18日)
ヴァリエーションVI...小野絢子(17日)
井倉真未(18日)
コーダ...全員
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17日と18日、ともに観てきました。
第1部のシアトリカル・ダンスは、『ロミオとジュリエット』を題材に、ジュリエットの心情を8人の研修生が台詞とダンスで表現する作品。
観る前は「棒読みな台詞回しになるのかなぁ」と思ったけど、ちゃんと声に感情を乗せていて感心しました。踊りながらの発声は大変だと思うけど、ちゃんと後ろの客席まで声は届いていました。中でも今井さんが情感に溢れたとてもいい声を出していたのが印象に残りました。また小野さんがかなり激しい感情を出しているのも、これまでの踊りの印象とは違ったので少し驚きました。
センター役はジュリエットの〈実体〉の今村さん。もう少し背中が強いといいかなと思いましたが、少女らしさと女性の艶やかさ両方を持っているタイプで、無邪気なジュリエットがロミオと出会い、結婚し、死に至るという役柄は合っていました。
踊りながら台詞を言うシアトリカル・ダンスは、普通のバレエの舞台ではなかなか体験の出来ない「ダイレクトな感情表現」を学ぶチャンスだと思います。それも稽古場ではなくお客さんのいる舞台の上で、というのは研修生にとって貴重な経験になったと思うので、これからも続けていって欲しいと思います。
第2部に入る前に2年間の研修風景の映像がスクリーンに流れました。入所式の時の顔から比べると、今の彼女たちはとても大人の顔になっているのがわかります。
自作自演では4人が自らの作品を披露。
自分で作品を一から作るという経験はこれまでほとんどなかったと思いますが、その割には構成がしっかりとしていたなと思いました(講師の方々の指導もあったのでしょうが)。
他の演目よりも当然ながら伸び伸びと踊っていて、それぞれの個性がとてもよく出ていました。
岡崎さんの作品はコンテンポラリー。ちょっと内容を詰め込みすぎな気もしましたが(そのせいで一本調子な面もあり)、これまでの発表会では分からなかった彼女の個性が発揮されていました。
柴田さんは軽やかな作風。ほんわかした可愛らしい性格がよく出た作品でした。
小野さんはスパニッシュギターを使った音楽で激しい鋭い踊りを披露。これまで見てきた踊りがとても古典よりだったため、かなり意外な感じがしました。品のある柔らかい踊りだけでなく、エッジの立ったこういう踊りもできるようになり、ダンサーとして幅が広がったと思いました。
今井さんは真っ赤な衣装に身を包み、エンヤの曲に乗せて舞台を広く使った、恵まれた体格を活かして軽やかで大きな踊りを見せてくれました。
第2部の後半は『ル・コンバ』より。
十字軍時代の戦場における悲恋を描いた作品に大湊さんが挑戦していました。170cmを越す長身の彼女が鎧兜の衣装に身を包んでいる姿はとてもカッコ良かったです。上半身は鎧姿のためあまり動かさない振付はかなり大変そうで、まだまだ線の細い大湊さんは苦労していました。それでも2日目はかなり改善されていて、「たった1日」でも本番の経験は貴重なのだなと思いました。
まだ自分の体に振り回されているところがありますが、一番大化けの可能性を秘めているのは彼女だと思うので、これからも頑張って欲しいと思います。
第3部は古典の『ライモンダ』第3幕のグラン・パ・ド・ドゥ。
ライモンダ役は初日が小野さん、2日目が井倉さん。
小野さんは品のある奥ゆかしさを感じさせる踊り。派手さはないけれどついつい目が引き寄せられるのは、その上品で性格な踊りのためでしょう。ライモンダのヴァリエーションはバレエ団の本公演に出しても全く問題のない出来だったと思います。
井倉さんはメリハリが利いた華やかな踊りが特徴。踊りの一つ一つの動きの輪郭がとても明確で伸びやか。ライモンダのヴァリエーションでも、静謐でおしとやかな小野さんと比べると、女王然として威厳に満ちあふれたもの。この二人の組み合わせは対照的で面白いです。
その他で気になったのはヴァリエーションIIIを踊った鈴木さん。キビキビとした小気味の良い踊りが音楽と合っていて、いい印象でした。第3期生の中で最年少とのことですが、以前に比べてはっきりとした踊りになっていました。これからの成長が楽しみです。
最後に舞台上で研修生全員からの挨拶がありました。
感極まって泣いてしまうことが多いんですけど(第2期生がそうでした)、彼女たちは涙を見せることなくしっかりと挨拶していました。
修了公演を終え、第3期生はバレエダンサーとしてスタート地点にたつことになります。研修所で学んだ様々なことをこれからのバレエ人生の中で(またそれ以外でも)しっかりと活かしていって欲しいと思います。
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