• 購読する
  • home
  • >blog
  • >ブログ: 2006年5月アーカイブ

ブログ

5/11(木)の公演。
『ファラオの娘』はDVD(ザハロワ主演)が発売されているけど、それはまだ見たことがないので、今回が全くの初見。
この日の主演はアスピシアがS.ルンキナ、ウィルソン卿/タオールがD.グダーノフ。

ルンキナは高貴で凛としたお姫様でした。
夢見がちというタイプではなく、ちょっと現実的でクールな雰囲気。ボリショイにしてはちょっと線が細い踊りだけど、群舞の中にいてもすぐに「主役」だとわかるオーラを出してます。スタイル抜群&超美人なので、決めポーズがとにかく美しかったです。 ただ演技面では上記のクールな面が出るせいか、ちょっと淡泊に見えたかも。ベタベタの古典よりも、新しい時代の作品の方が似合うかもしれません。ちなみにこの日、初めて彼女の踊りを生で見たのでした(今までは怪我やらおめでたやらでキャンセルになってた)。

グダーノフもこの日が初見。
品があって端正で、踊りは結構力強い(でも力任せではない)。
今回来日した4人の男性プリンシパルの中では、実は一番ノーブルかもしれない(あ、フィーリンがいるから一番は言い過ぎかな?)。テクニックあり、サポートよし、自分をあまり推し出さないけどちゃんと存在感あり。かなり気に入りました。
今後また見る機会があったら見逃せないダンサーです。

あと脇を固めた面子も充実してました。
ジョン・ブル役のメドヴェージェフはコミカルに動きつつも踊りは盤石、ラムゼ役のアンドリエンコ(『ラ・バヤデール』では影の王国の第1ソリスト)がコール・ドながらも大健闘。力強いテクニックで大きな拍手をもらっていました。
漁師の妻で出演したシプリナ。とても市井の人には見えない高貴な雰囲気で、華やかに踊っていました。
あと2幕のヴァリエーションは総じて高レベル。オシポワ、ゴドフスキーなど、『ラ・バヤデール』で好演したメンバーが、今日もいい踊りを見せていました。

振付は結構難易度高し。群舞も結構踊るので、この作品を踊る力を持つバレエ団は限られますね。なによりも出演人数がものすごい。ダンサーだけで100名以上というから、ボリショイクラスじゃないと上演不可能ですね。

音楽的には正直「ただの伴奏」レベルだし、ストーリーも大したことないので、映像だと途中で飽きてしまうと思います。でも生の舞台としては、豪華な衣装&セット、どんどん出てくるダンサーたちなど、結構楽しめる作品でした。

なんかしばらくしたらまた見たくなりそうな気がします(でもボリショイ限定ね)。

GWはボリショイ・バレエ団の来日公演『ラ・バヤデール』に通っていました。

まずは5/3(水)。キャストはザハロワ(ニキヤ)、ツィスカリーゼ(ソロル)、アレクサンドロワ(ガムザッティ)。
ザハロワは相変わらず完璧なプロポーションを活かしての美しい踊り。ただ、この日は来日直後の初日ということで少し堅かったかな。新国に毎年客演していることもあって、彼女の踊りはよく知っているつもりだけど、この日は特に良くも悪くもない出来(というかいい所もあり不安定なところもあり、というべきかな)。硬質で明晰な踊りで、演技面でも以前よりも濃厚になっていたけれど、時折バランス面でぐらついたりもしていた。華もあったけど、絶好調の時の強烈な印象はなし。全体としては高レベルだけど無難な踊りでした。
ツィスカリーゼは前々回(?)の来日公演以来、久しぶりに見ました(その時はガラで『ナルシス』を踊ってた)。常人離れした柔軟性(特に背中と股関節)と濃ゆい演技が印象に強烈に残りました。ただ自己陶酔オーラが強すぎることもあって、ニキヤとの間の愛はなかったように思います。あと彼はサポートはあまり上手くないのね。やっぱり「自分大好き」なせいもあって、女性を立てるのは苦手なんでしょうか。
アレクサンドロワは好調。印象としてはザハロワよりも強く残りました。絶対的な技術と宙に浮かぶ跳躍、そして華やかな雰囲気があって素晴らしかったです。


昼(マチネ)はアラシュ(ニキヤ)、フィーリン(ソロル)、シプリナ(ガムザッティ)という組み合わせ。
アラシュはスタイルはいいし踊りも丁寧。だけどあまり印象に残ってない。主役としてのオーラが足りないというか、踊りが素直すぎて個性が弱いというか。
対してガムザッティ役のシプリナは天性の華やかさがあり、踊りも強さがあり、演技面でも悪女ぶりがよく出ていて好演。白鳥/黒鳥とかでまた見てみたいかも。
フィーリンはとても恰好良かった。戦士としての凛々しさと、ニキヤに対する誠実な愛情を感じる事ができました。踊りもソツの無い品のある踊りで○。
全体的にちょっと地味な印象でした。舞台の緊張感もちょっと緩く感じた(特に群舞)。休日のお昼で客席がそれほど埋まってなかったことも影響しているかな。


夜(ソワレ)はグラチョーワ(ニキヤ)、ネポロージニー(ソロル)、アレクサンドロワ(ガムザッティ)。
とにかくグラチョーワが素晴らしい出来だった。91年のグリゴローヴィチ版の初演キャストも務めた彼女だけに細部まで神経の行き届いた濃密な演技、そして驚異的なバランスを見せたテクニック等、会場を多いに盛り上げていました。
ネポロージニーは相変わらず若々しい雰囲気。以前よりも踊りの線が太くなったかも。テクニックは安定してるし、戦士にしてはちょっと柔弱な感じだけど、力強さもあった。なんとなくウヴァーロフ的なたたずまいになっていたような気もする。
アレクサンドロワは絶好調。高度な技も難なくこなし、跳躍は男性並に高い。そして何よりも高貴な姫様らしいオーラがよく出ていました。2幕を盛り上げたのは、間違いなく彼女です。

またソワレは舞台としても完成度が非常に高くて、その他のソリストや群舞も素晴らしい出来でした。ブロンズ・アイドルの岩田さんは相変わらず素晴らしいし、太鼓の踊りはますますダイナミック。そして3幕の影の王国の群舞の出来は、昨日今日の3公演の中でも飛び抜けて素晴らしかったです。舞台の出来が会場を盛り上げ、その会場のノリに舞台上のダンサー達がさらに乗っかっていったように思いました。

カーテンコール時は熱狂的な拍手に包まれて、グラチョーワはとても上機嫌でした(最後はスタンディング・オーベーションになりましたしね)。

ボリショイの『ラ・バヤデール』を見るのは今日までだったのですが、最後にとてもいい舞台に出会えて、満足感で胸一杯です。

いやー、今日の『パキータ』は素晴らしかった。

群舞も昨日よりも良かったし、ルグリ代役のベランガールも今日の方が主役らしく見えた。

でも何よりオレリー・デュポンが本当に素晴らしかった!
「これぞエトワール」という貫録と存在感があって、客席からは熱狂的な拍手があがっていました。

登場の瞬間から幕が下りる最後まで、舞台の中心であり続け、踊りはまったく乱れず(ちょっとくらいブレてもしっかりとリカバリーしてしまう)、1幕と2幕でしっかりと役を踊り分け、観客を満足させる。本当に素晴らしいバレリーナに成長したものです。

...随分前にルグリに連れられて来日していた頃は、才能はあるけど経験がまだまだで危なっかしい踊りをしていたのを思い出すと、肩書きが人を育てるというのは本当だなぁと実感します。

また『パキータ』2回目ということで、今日は周りで踊っている人たちにも目を向けてみました。オペラ座バレエ団/バレエ学校のドキュメントフィルムに登場していた子達を何人も発見して嬉しかったですね。

最後の最後でとても素晴らしい舞台を見せてくれたパリ・オペラ座バレエ団。うーむ、ちょっとファンになってしまうかも(←実は今までそれほど贔屓にしてたわけではなかったのです)。