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ブログ

今日は午後からパリ・オペラ座バレエ団『パキータ』公演@上野東京文化会館。
当初の発表ではエトワールであるマチュー・ガニオが主役を踊るはずだったけど、怪我のためプルミエ・ダンスールのジェレミー・ベランガールが代役でした。パートナーは同じくプルミエのドロテ・ジルベール。2年前のルグリガラで見た時は、華やかで技術はしっかりしてるけど、特にアームスの使い方に変な癖があるな、という印象でした。それが今回主役でどうなってるのかが、個人的注目点でした。

作品としての『パキータ』は、実はそれほど面白くない。踊りとドラマが完全に分かれてしまっていて、登場人物がどのような心境なのかを踊りから読み取るなんて必要はまったくない。ただ華やかに踊り、その合間でドラマはさっさと終わってしまう。
音楽的にも単純な「踊りの伴奏」的なものが多く、よく抜粋で上演される部分以外はほとんど記憶に残っていない(抜粋される部分は有名になるだけあって、それなりにいい曲)。

タイトルロール・パキータを踊ったドロテちゃんは、登場した瞬間から「主役」オーラ全開、テクニックは元々ある上に華やかさも充分、そして以前気になっていた変な癖も完全にではないまでもかなり薄まっていた。また、踊る場面が多いにも関わらず、後半になっても調子は落ちずにパフォーマンスのレベルを維持。とても見事な日本での主役デビューだったと思います。この踊りを続けていけば、将来的にエトワールも夢じゃないと思いましたね。

リュシアンを踊ったのベランガール、技術的には安定していたし(ソロでちょっとバランスを崩したところはあったけど)、演技面でも問題はなかったけど、いかんせん華がない。舞台に登場しても、すぐには主役だと認識できないくらい。真ん中を踊るには地味だよなぁ。彼は急遽帰国したルグリの代役として明日も踊るんだけど、どうなんだろうなぁ。舞台は破綻しないだろうけど、何か印象に残るタイプのダンサーではないかな。

目立ったのはカール・パケット。彼は舞台上に登場し、何かちょっとした仕草をするだけで観客の目線をつかむことのできる存在感があるダンサーですね。演技も濃くて○。こういうダンサーがいると舞台が締まるんですよ。
またパ・ド・トロワを踊ったエマニュエル・ティボー。とても活きのいい踊りをしていました。弾むような跳躍と柔軟性、舞台映えのする容姿、そして何より存在に華がある。今日は5階席から見ていたのですが、そんな舞台から離れた客席にも強烈な印象を残すような踊りを見せてくれました。今後、要チェックなダンサーです。

それ以外で気になったのはオケの出来。いい意味ではなく悪い意味で目立ってました。特にホルンは1幕1場から2場への間奏曲で、主旋律が出なくなるという大チョンボ。それ以外でもバイオリンソロの音程がズレていたり、出だしと締めの音が揃わなかったり、下手したら大学生オケよりも酷いのではという内容。普段はとりあえずする終演後のオケへの拍手も、今日はさすがにできませんでした。

あと気になったのはパリオペダンサーの均一性のなさ。一人一人は綺麗に踊っているんだけど、全体で見るとタイミングや間の取り方がズレている。「ホントにみんな同じ学校・教師から同じメソッドで学んできたダンサーなの?」と思ってしまいました。まあ、そんなに大袈裟に言う程のレベルではないのかもしれませんが、パリオペにはそれを期待してるのでちょっと書いてみました。

などとちょっと辛口に書いていますが、なんだかんだいっても全体としては結構満足できた公演でした。


公演終了後には今度は五反田ゆうぽうとに移動。
橘バレエ教室の発表会を見てきました。
私が観たのは第3部、『眠れる森の美女』全幕。
ゲストが結構豪華で、オーロラ役に坂井直子さん&高岸直樹さん(東京バレエ団)、リラの精に工藤千枝さん(新国立劇場バレエ団)、フロリナ姫&ブルーバードに今村恵さん&中村誠さん(同じく新国立劇場バレエ団)といった面々。その他にも元東京バレエ団の窪田央さんや芝岡紀斗さん(4人の王子役)、新国立劇場バレエ団の荒幡大輔さん(狼役)などが出演。舞台美術も豪華だったし、登場人物も小さな子供から大人までたくさんいて、楽しい舞台でした。


そんなこんなでバレエ漬けな1日。でもまだ終わりません。
明日は再び上野・東京文化会館に行ってパリ・オペラ座バレエ団『パキータ』を見てきます。ルグリが降板してしまったので、ちょっとモチベーションが下っていますが、別の楽しみを探しながら見てみようと思っています。

20日(木)にシアターアプルにて公演中のキャラメルボックス『あしたあなたあいたい』『ミス・ダンデライオン』を見に行った。
7日の東京初日以来の2回目。前回はそれなりに満足はしたけれど、少し違和感もあった(特に『あしたあなたあいたい』)。けれど今日はそういう部分もほとんどなく、笑う部分では笑い、泣ける場面では泣く、そんな楽しい舞台だったと思う。また2週間経っている事もあって、役者達の感情の高まり方が少し変わっていて、そういう部分も興味深く楽しめた。

うん、これはもう1回くらい見に行ってみようかな。
でもスケジュール的にちょっと厳しいかな?
いや、でも...見たいぞ。。。

昨日は仕事を終えてから、五反田ゆうぽうとへ東京バレエ団《ディアギレフ・プロ》を観に行った。20世紀初頭のバレエ興行主で「バレエ・リュス」の主宰であったセルゲイ・ディアギレフ。彼の元で活躍したニジンスキー、フォーキンの作品を上演したのがこの公演でした。

『牧神の午後』(振付:ニジンスキー)
今回の公演写真にもなっているこの作品。ギリシャ神話の牧神を、ゆったりとした平面的な動きで表現したもので、「踊っている」というよりも「舞っている」という印象が強い。牧神はこの公演で1年ぶりの登場となる、元団員の首藤康之さん。半獣半人(神)であるこの役を、柔らかく、しかし緊張感溢れる動きで好演していた。ただ、彼ならもっと「不思議な場を支配する空気」を出せたのではないかな、とも思った。数年後に再演したら、面白くなるかも。

『薔薇の精』(振付:フォーキン)
数々の名ダンサーが踊ってきた作品。大嶋正樹さんが薔薇の精、高村順子さんが少女役だったけど、これが期待以上の出来だった。大嶋さんの華やかさはあまりなかったけど、薔薇の精は柔らかな手の動きとちょっと濃い雰囲気が役柄によく合っていた。少女役の高村さんは夢見がちでとても可愛らしい印象。夢を見ている時の現実感のない動きもよかったし、なによりもフリルだらけの白衣装が似合い過ぎ。出てきた瞬間から作品世界を醸し出していたと思います。

『ペトリューシュカ』(振付:フォーキン)
今までベジャール振付のものしか観たことがなかったけど、この"オリジナル"な振付も面白い。3つの人形(ペトリューシュカ、バレリーナ、ムーア人)だけでなく、街の群衆のごちゃつき感とか、その中での踊りもソリスト陣の気合いが入っていて良かった。メイン3人ではバレリーナ役の長谷川智佳子さんが素晴らしかった。芯の通った安定した技術、キビキビとしつつ人形らしいぎこちない動き等、最近の充実ぶりが伝わってくる出来でした。ペトリューシュカは首藤さん。悲哀に満ちた良い出来だったと思います。でも、やはり『牧神〜』と同じで、ほんのちょっとだけど何かが足りないようにも感じました。数年前の、何か追いつめられたような、ギリギリにまで引っ張られたバネのような張りつめた緊張感というのは「今」はもう出ないのでしょうか。というか、今それを期待するのは無理なのかな。彼も変わってきていますからね。今の方が精神的に充実していて安定しているようなので、以前のような「剥き出しの魂」は難しいのかもしれませんね。

総じて満足の出来る舞台でした。
特に『ペトリューシュカ』は面白かった。ああいう作品はまた見て観たいなと思います。ただ、最近の東京バレエ団は比較的評価の定まった作品・振付家ばかり取り上げているので、もう少し若い世代のものを取り上げることもして欲しいな、とも思います(それこそ、ナチョとかを東バがやるのも面白いと思う)。その辺りはトップの好みなのでしょうかね。

演劇集団キャラメルボックスのハーフタイムシアター2本立て、『あしたあなたあいたい』と『ミス・ダンデライオン』の東京初日を見に行ってきた(新宿シアターアプル)。

昨年末に上演した『クロノス』と同じく、梶尾真治原作の短編集『クロノス・ジョウンターの伝説』からの舞台化。今回は『布川輝良の軌跡』が『あしたあなたあいたい』に、『鈴谷樹里の軌跡』が『ミス・ダンデライオン』に舞台化された。

まず『あしたあなたあいたい』。
原作を読んだ時にはラストで涙が溢れたけれど、舞台では登場人物が多くなっていたり設定が少し変わっている分、自分の感情を誰に重ねるかが少し曖昧になってしまったかも。原作を読まずに見ればそうは感じなかったかもしれないけれど、読んでいる分、舞台との「ギャップ」が気になってしまった。また、役者陣の「間」がまだ微妙に噛みあっていないようにも感じた。これは長い東京公演(〜5/3まで)の間で、少しずつ、もしくは劇的に変わる予感はある。間を置いて、また見てみたいな。

その後に『ミス・ダンデライオン』。こちらはほとんど原作と同じ展開&登場人物&設定。そのためかとてもスムーズに主人公・鈴谷樹里に感情を乗せて見る事が出来た(『クロノス』に続いて泣いてしまいました)。彼女が舞台に出ずっぱりな分、その感情を丹念に描いていくことが出来たからかな。その分、演じる岡田さつきさんの負担は大きかったと思うけど(『クロノス』の時の菅野良和さんと、レベル的には同じくらいだと思う←あっちは2時間だったけど)。

とりあえず初日を見た感じとしては、『あしたあなたあいたい』はまだ未完成、でもその分どう変わるのかが楽しみ。『ミス・ダンデライオン』はかなり完成度が高い。主人公が女性なので、特に女性にはオススメな作品という感じです。

とりあえずあと1回見に行く予定はあるけど、さらにもう1回くらいは見に行こうかな。