東京バレエ団による、V.マラーホフ振付/演出の『眠れる森の美女』を見に、この二日間は上野の東京文化会館に行っていました。
このマラーホフ版、事前に写真で見ていた衣装や美術がとてもカラフルで豪奢なものだったので、「これを東京バレエ団がやるとしたら、どうなるんだろう?似合うのかな?」ってずっと思っていました。
で、実際に舞台を見てみると「お、思ってたよりも全然問題ないじゃない」。薔薇をモチーフにした、ピンク・紫・グリーン・オレンジを基調とした色彩で、とても華美でハイセンスな印象。似合うか心配していた衣装も、想像していたよりもずっとしっくりきていました。
主役オーロラ姫は吉岡美佳さん。繊細でたおやかな踊りが特徴で、ちょっと大人びた、だけど可愛らしいオーロラでした。両足にテーピングをしていて、絶好調というわけではなさそうだけど、それでも決して崩れることのない安定感はベテランならではでしょうか。初日はローズアダージョの最後のバランスで、ちょっと時間がかかってしまい音楽が冗長になってしまいましたが、2日目はその辺りをちゃんと調整していたりしてさすがです。
マラーホフは数年前と比べるとちょっと力が落ちたかなぁと思うこともあったのですが、それでも「王子様」としての天性の気品と美しいライン、そして安定したサポートで存在感を出していました。この二人、とても相性がいいと思います。お互いのいいところを引き出すというか、まず並んで立っているだけで絵になりますからね。
リラの精は上野水香さん。正直なところ、これまで何度か見ているけれどいつも「うーん」と首を捻っていた彼女の踊りですが、今回は東京バレエ団の踊りの中にいい意味で溶け込んでいたし、ストーリーにもしっかりと乗っていたと思います。
カラボスは元団員で賛助出演の芝岡紀斗さん。このバージョンはカラボスの出番が多く、(大袈裟な)演技が中心なので、長身で体格のいい彼はとても印象に残ります。かなり美味しい役です。
ただ、大袈裟な身振り手振り、そしてメイクのために、ワハハ本舗の梅ちゃん?というイメージが浮かんでしまいました(笑)。とにかく、美味しい役どころです。
その他の登場人物で印象に残った人を箇条書き。
・純真の精の大島由賀子さん(両日)。のびやかで大きな踊りが○。
・ルビー(18日)と雄弁の精(19日)を踊った長谷川智佳子さん。キレのある踊りが心地よい。
・サファイアの佐伯知香さん(両日)。無駄のないキレイな踊り。
・シンデレラ&フォーチュン王子の井脇幸江さん/木村和夫さん(両日)。ベテランらしい、さすがの貫録。
・フロリナ姫(18日)の小出領子さん。高貴さと可愛らしさ、芯の強さ全てを内包している、素晴らしい出来。
・ブルーバードの中島周くん(19日)。ラインがとてもキレイ。そしてなによりも腕の柔らかい動きが素晴らしい。ふんわりを宙を舞っていた。
・牡猫と小猫。前川美智子さん/平野玲くん(18日)と吉川留衣さん/大嶋正樹さん(19日)。2組とも○。18日はコケティッシュな小猫と心優しき牡猫。19日はクールで可愛い小猫とちょっとワイルドな牡猫。キャラクターが全然違っていてどちらも面白い。
あと普通の眠りよりも男性陣の活躍する場面が多いのが印象的。やはり現役男性ダンサーであるマラーホフが振り付けたのが大きな要因かな。群舞は比較的大人し目。もう少しいろんな場面で踊って欲しいとも思った。
残るは火曜の最終日。初日と同じキャストだけれど、一度本番を踊っているわけで、もしかしたら違う印象を持つかもしれません(それが複数回通う楽しみの一つ)。火曜日が待ち遠しいです!


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