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ブログ

Blogの方はあまり更新してなかったけど、その間にもいくつかの公演を見に行ってました。

新国立劇場『カルミナ・ブラーナ』に全日行ったのは書いたけど、その翌週にはシュツットガルト・バレエ団の来日公演に行ってました。『オネーギン』と『ロミオとジュリエット』。ともに初日。

『オネーギン』は初見だった。まずはその衣装・美術の美しさに目を奪われる。レースをふんだんに使っていてとても豪華で繊細。色調も落ち着いたものが多くて、好みでした。特に気に入ったのは3幕でタチアーナが来ているブラウンのドレス。薄手の生地を何枚も重ねてあって、その透けて見える模様が美しかったです。オネーギン役はルグリ。この役を踊るのが夢だったというだけあって、かなりキャラクターを作り込んでました。ただ1〜2幕ではやや冷た過ぎだったかも。そのため3幕での変化が少々唐突に感じました。踊りの面では少し前に怪我をしていた影響か脚の筋肉が少し落ちたような気もしましたが、サポートは盤石だったし踊りも丁寧でした。でも彼以上に印象に残ったのはタチアーナ役のマリア・アイシュバルト。小柄ながら均整のとれた容姿と確実なテクニック、そして繊細な演技力を持ったダンサーでした。全3幕を見終わった時には、「これはタチアーナの物語だ!」と強く思ってしまうくらい、存在感溢れる踊り・演技でした(特に3幕最後のパ・ド・ドゥは印象的)。

『ロミオとジュリエット』は前回来日の際にも見た作品。その後何度もマクミラン版を見ているので、改めてクランコ版の特徴・良さを確認できた公演でした。というか、「クランコあってこそのマクミラン」という印象を強く感じ、改めてクランコのバレエ史上での影響の大きさが認識できました。
主役はフリーデマン・フォーゲルとアリシア・アマトリアンの二人。このコンビは、そもそも見た目がロミオとジュリエットにピッタリでとても若々しい。演技面で少々物足りない面もあったけど、総じて満足できる舞台でした。
ただ、前回公演ではキャピュレット夫人をマリシア・ハイデがやっていて、その強烈な印象が残っていたので、今回は「あっさり」したものに感じてしまったのも事実。まあ彼女は歴史に残る名プリマなわけで、仕方ないことなのかもしれないですけどね。

あと見に行ったのは先週金曜の「シルヴィ・ギエム 最後のボレロ Aプロ」。
印象に残ってるのは『ギリシャの踊り』の中島周くん。以前よりも体が一回り大きくなったように感じたし、踊りも伸びやかでキレイだった。『ドン・ジョバンニ』では大島由賀子さんが良かった。あとシルフィード役だった吉川留衣さん。妖精らしい現実感のない浮遊感が○。『ギリシャ〜』では群舞で出てたけど、その時も気がついたら彼女を見てた。品のあるキレイな踊りをしてるんだよね。今後に期待大です。『小さな死』は以前見たオレリー&ルグリの時と同じ作品とは思えないくらい違う印象。なんか「生々しい器械体操」っていう感じで情感とかは感じられなかったな。そして『ボレロ』。ギエムのは以前にシカゴ響との共演の際に見てるんだけど、正直あの時はオケが突っ走っていて作品としてはヒドイものだった(ギエムはよくあのテンポについていったな、と感心してしまった)。なのであまり参考にならないわけで、ある意味今回がちゃんとした彼女の初『ボレロ』鑑賞。彼女の踊りにはいつも「隅から隅までしっかり計算された確実さ」を感じるんだけど、この『ボレロ』ではそれだけではなく、「計算されたもの以上の何か」を感じた。普段はギエムに感心はすれども感動することはないんだけど、この時は感動に近いものがあった気がする(数日後のBプロでは実際に感動した。日々変化してるのかな?)。

というわけでざっと公演の感想を書いてみました。
とりあえずギエム公演の後はしばらくお休み。次は12月中旬の新国立劇場『くるみ割り人形』です。

でも、その間には演劇見に行く予定入ってますけどね。結局劇場通いは続くのです。

21日@東京文化会館

Bプロの演目は『テーマとヴァリエーション』『Push』『春の祭典』『ボレロ』。結構濃いプログラムです。

『テーマ〜』はバランシンの代表作の一つ。いかに音楽を感じさせるかが重要なんだけど、それが難しい。真ん中を踊った吉岡さんと木村さんはさすがにその辺はしっかり抑えていた。特に吉岡さんはキラキラ輝いていたな〜。でも後ろの群舞は音楽に乗りきれていなかった。後追いになっていてバラバラ。うーん、バランシン作品ってやっぱり難しいんだね。

『Push』はギエムが惚れ込んだ振付家マリファントの新作。マッシモ・ムッルとパートナーに、薄暗い照明の中、とんでもなく難易度の高い振りを淡々と、しかし緊張感を持って綴っていく。30分弱の間、ほとんど流れが止まることのない作品で、一度見ただけではとてもじゃないが消化できないものだった。とりあえず「凄い」としかいいようのない。でもちょっと最後の方はこちらの集中力が切れかかったかな。大きな盛り上がりとかなく、全編同じ抑制の効いたテンションで流れるからね。

『春の祭典』はベジャールの初期の代表作。ストラビンスキーの衝撃的な音楽を見事に具現化しかもので、東京バレエ団で見るのは3回目。生贄役の大嶋さんは群衆の中にいる段階から他の人とは異なるオーラを発していた。生贄となった極限の精神状態を見事に体現した踊りは、ホントに素晴らしかった。絶望に満ちた高揚感、そしてエロスも感じることができた。井脇さんの生贄は期待通りの安定した出来。この方にはもはや何も言うことはありません。一つだけ苦言を言うとすれば男性群舞。バラバラで中身の入っていない状態で、見ている客席のこちらまで、作品の持つパワーが伝わってこなかった。とりあえず決められた振りだから動いている、そんな状態だった。昨年末に大量に人が入れ替わったんだけど、その影響は大きいみたいだ。

そしてメインの『ボレロ』。金曜に見た時「これまでのギエムの『ボレロ』の中で一番の出来」と感じたのだけれど、今日はそのさらに上を行っていた。出だしの腕の使い方からまず違っていたし、途中でのリズム・ダンサーとのアイコンタクト、そしていつも通りのクールさの中から普段感じることのない内面の高まりもあった。何というか、ここまで自己の内面を、計算した上ではなく、さらけ出したギエムは初めて見たように思う。
これまで数えきれない程この作品を踊ってきたはずなのに、この数日間でここまで変化するというのも凄い。彼女の、今回の『ボレロ』ツアーに対する姿勢が表れているようだ。

一ヶ月に渡るツアーはまだ始まったばかり、一体最終日にはどのような『ボレロ』になっているんだろうか?

気がつけば10戦負けなし football

JEF戦の東京側ゴール裏

日曜に味の素スタジアムにてFC東京 - JEF千葉戦を観戦。
9/3柏戦以降ずっと負けの無い東京と、ナビスコカップで初タイトルを獲った千葉。それぞれに勢いがあるチームの対戦で、ゲーム内容はお互いの特徴である攻撃的な守備から縦への早い展開が出た好ゲームでした。

前半は千葉がまず流れを握り攻め込むも東京は最終ラインでしっかりとふせぎ、2度程あった決定的シーンもGK土肥のファインセーブで無失点に抑える。そして東京も途中から勢いを掴み、何度か決定的なシュートを放つも枠を捉えず。結局前半は0-0で終える。

後半に入るといきなりゲームが動く。東京が相手陣内の高い位置でのスローインのボールをカットし、ルーカスがDFラインの裏へ浮き球のパス。そこに今野が走り込み相手DFに競り勝ちマイナスのクロスを入れ、中央に走り込んだ梶山がシュートを決め先制。その10分後には千葉が東京の左サイド深くをえぐり、中央にグラウンダーのクロスをいれる。これをハースが決めて同点にする。東京にとってはイヤな展開になったが、全体的に東京の攻勢が続く。特に今野・梶山のボランチコンビが非常にいい出来で、今野は再三ボール奪取・インターセプトをし前線へ飛び出す。梶山は長短のパスでボールを散らしつつ、ペナルティエリア付近から威力のあるミドルシュートを何本も打つ。この二人に加えてトップ下の馬場、右サイドの阿部、左サイドの鈴木が縦へ積極的に突破を計り、相手ボールの時には執拗にチェックをしていた。そのため東京が中盤を支配する時間が多かった。そして後半も残り数分になった時、梶山のミドルシュートのこぼれ球を途中出場の栗澤がヘッドで落としたボールを、阿部がDFをかわしつつゴール右隅へ流し込んで決勝点をあげる。

これでリーグ戦と天皇杯、10戦負けなしとなった。4〜5月にかけて9戦勝ちなしという状況からすると、本当によく立て直したなぁと思う。特にここ数戦は上位のG大阪・鹿島・千葉と当たって2勝1分けという上々の出来。次は中2日でアウェイ新潟戦、是非この調子で行って欲しいですね。目指せ、賞金圏内!

結局6日間の公演全てに足を運んだ。

見る前は「全日チケット買っちゃったけど、つまんなかったらどーしよー」と思っていたのだが、初日を見て「全日買っておいて良かった!」と安心した。そのくらい面白い作品。バレエ史上の記念碑的な作品ではないと思うけど、エネルギーに満ちた佳作だと思う。

2パターンのキャストで上演されたけど、どちらも魅力的だった。バーミンガム・ロイヤルバレエからのゲストである二人、S.ヒメネスさん&I.マッケイさんは、恵まれた体格と、振付への深い理解を持った明確な動きが素晴らしかった。対して新国キャストである湯川麻美子さん&山本隆之さんは、丁寧で繊細な表現と、新しいものにチャレンジしようとする意欲溢れた視線が魅力。日を追うごとに一つ一つの動きが明確になっていき、最終日は完璧ともいえる出来になっていた。

個人的に「お疲れさま!」と言いたいのは吉本泰久さん。アクロバティックで体力的にとてもハードな神学生2という役を5日間踊り通した。体のキレもよく、大きな拍手をもらっていたのも当然という気持ちです。
1日だけ神学生2を踊った新人・八幡顕光くん。研修所を修了〜入団してすぐの大抜擢ということで注目していたけれど、期待以上の素晴らしい出来。小柄ながら存在感ある踊りで、こちらも大きな拍手をもらっていました。今後も期待大です(来年のデュアド作品にも出演するらしいし)。

また今回は男性陣が奮闘。15〜6人で一斉に跳躍する場面は、やはり迫力がありました。
あと女性陣も含めてのことですが今回は衣装の着替えが盛り沢山。袖に入って2分で衣装チェンジ!ということが何度もあり、舞台裏はすごいことになっていたのでしょうね。

演奏は東京フィル、合唱は新国立劇場合唱団、独唱は佐藤美枝子(ソプラノ)、ブライアン・アサワ(カウンターテナー)、河野克典(バリトン)。みな質の高い音楽を聴かせてくれました。特に歌手陣の出来が素晴らしかった。

同時上演の『ライモンダ』第1幕夢の場は、『カルミナ〜』の前ということで印象がどうしても弱くなってしまうけれど、悪くない内容だったと思う。群舞は新人が7〜8名入っていたこともあり初日は物足りなさが残ったが日に日に良くなっていっていた。やはり練習を何度もやるよりも本番をこなしてこそ上達するものなんだな、と思った。

そんなわけで充実した公演期間だった。作品の持つパワーをまともに受けてしまったので、しばらくの間は『カルミナ〜』のメロディーが頭の中でリピートしそうです。

とはいいつつ、すぐにシュトゥットガルト・バレエ団の来日公演、ギエム公演と続くので、頭の切替で苦労しそうです。